冬には18人しか居ないという小さな村Scopello。今のシーズンはヨーロッパ中から集まり賑わっている。もう6日間もいると、何処へいっても顔なじみ。1日何度もすれ違って挨拶をしている。村の真ん中に井戸があり、ペットボトルを持って汲みに来ている。バールやレストランがあるが、いつもいくのは、同じ店。みちるも歩くのが早くなり、村の人気者になっている。イタリア語が頭の中をぐるぐる回っている。夜になると、台風並の風が吹き荒れこの村が通り道になっているかのよう。日本の蚊と違い、目に見えないほどの蚊が朝方ブーンと飛ぶ。偶々持って来た蚊取り線香が役立た。きょうは、もっとも、アフリカに近い街トラパニーに行く。
マリアの運転でスコッペロの家から1時間の空中都市といわれる古代都市エリーチェに行く。この季節は観光客で賑わっているが、オフの時は寒くて静かな街。高台のノルマン城からみる風景からは、アフリカ、チェニジアが見える。
今日の目的はマルサーラにあるシチリアが誇るワイナリー ドナフガターに見学する事とです。何しろ、シチリア島の西端アフリカにもっとも近い街。イタリアのもっとも外れに来た感じだ。3時半に予約しておいたので、ワイン工場を説明してもらいながら、見学。最先端のワイナリー。日本では買えないワインを買いましたよ。家まで帰る事2時間半。遠い遠い。マリアさんがいなければ、とっても行けない場所。マリアに感謝。
パレルモの丘の上にある陶器の工房ニッコラさんの工房にマリアが連れてくれた。イタリアセラミカの美しいタイルを見ると、素晴らしさに驚く。どうしてこんな、深い色がだせるのだろう。台所、照明、壁。ニコルさんはイタリアが誇るマイストロである。今日はボローニャに行っているとかで会えなかった。バルセロナから次男晶が来てくれて合流。今日から3日間一緒に行動。語学堪能で楽。
朝8時のバスに乗りパレルモへ向かう。2月に来た時はカタニャーを過ぎた頃から雪をかぶったエトナ山が見えてきたのだが、9月なのではっきりとした姿ではなかった。標高は3323と富士山位。なだらかな丘には、まだ、収穫前のオリーブ、オレンジ、葡萄畑が窓いっぱいに見えてくる。荒涼とした山波の上には、小さな集落があり、どういう人たちが住んでいるのか、想像する。数千年の前の荒れた城壁もみえる。シチリア島を横断する事 2時間。右にテレニア海が見えてくる。海沿いを走って一時間。午前11時にシチリア島州都パレルモに着く。バスターミナルにはマリアが真っ白な服を着て待っていてくれた。8ヶ月ぶりの再会を喜ぶ。マリアの車に乗り換え、行きつけのカペッロという有名な喫茶店でコーヒーを飲み、避暑地スコッベロへ向かう。途中、みちるが火がついたように泣きだした。高速で走る音や慣れない国の空気で疲れがドット出たのだろう。どうあやしても泣き止まなかったが、あゆみさんのおっぱいを飲んで目を腫らして寝てくれた。かわいそうだった。 スコッペロという小さな村に着く。マリアさんの友人の
家を借りて約9日間ここを拠点にして動く事になった。村中の友達に紹介するので「ピァチィレ!」の連発。朝方、台風並の風で寝付かれなかった。今日は次男晶がスペインバルセロナからくる。3ヶ月ぶり。
今日は添付の写真が撮れませんでした。ニコンには入っていますので、帰国してから追加します。
朝9時半に又、オルティジャー島の市場に行く。今日は日本人であることを強調するため、絽の着物を着ていく。凄い人気!写真を撮らせて下さいと取り囲まれる。市場で有名なチーズ屋さん、ごった返しているほど忙しいのにご主人、工場の中に入れてくれてモッツァレラチーズを作っているところを見せてくれる。まるでお豆腐のよう。NHkの取材で「チーズの重さは人生の重さ」と言ったのが印象的。気の良いシチリア人だ。「アサジャーレ!」と言って試食だけでお腹がいっぱい。
賞味期限が2ヶ月もあるので真空パックにしてもらう。美味しいチーズを帰ったら友人たちにご馳走してあげよう。
アポロ神殿の広場の前にある喫茶店のご主人パウロさんもシラクーサの顔。チーズ屋さんとも友達。なるほど同じ空気をもったシチリアーノ人。 シチリアのケーキ、リコッタチーズを使ったカンノーリが美味しくて有名。 夕食はフィガロという雑誌に載っていたレストランにいったがあまりにの不味さに食べられず(食中毒でもおこしそうな、いわしなどの魚介類だった)、昨晩行ったレストランで食べ直した。雑誌の情報がいかにいい加減なものか腹がたった。 シラクーサの街は治安も良く、きれいな所でお勧めします。物価も安い。
明日はいよいよパレルモです。朝8時に出発。バスに乗り、シチリア島を横断します。3時間の旅。みちるも元気いっぱいです。小さいながらも、シチリアを満喫しているようです。いっしょにニコニコ顔で楽しんでいます。 では、明日はマリアさんの待つパレルモへ。
朝9時にシラクーサの市場に行く。相変わらず、魚屋のオジサンが、大きな呼び込みの声が飛び交している。今年2月にも来たが、良く覚えていてくれて「ジャポネーゼ!」と喜んでくれる。NHKの番組で有名になったオジサンだ。新鮮な魚や野菜が狭い道に並ぶ。トマト、フィノキオ、ズッキニー、フダンソウ、バジリコ等々。魚も太刀魚、マグロ、海老、タコ、白魚、イカ等が並ぶ。毎日、この市場に来て食材を買ったらたのしいだろうな。
シラクーサの街は狭い道がまるで、巨大迷路のよう。どんなに迷っても海に出るし、必ず、来た道に戻れる。今回は何年も閉まっていた教会でカラバッチョのルッチィアの名画を見ることができた。
歩く事4時間。ホテルに戻って2時間ほど休み、今度は考古学公園へ行った。15分ほど、だんだら坂を歩くと、公園入り口につく。紀元前にギリシャ人が作った劇場、プロメデゥスの耳と言われる巨大な石切場が有名。今日は曇りがちの天気だったので、歩いても、暑くなく、快適であった。ギリシャ人の知恵にはおどろかせれる遺跡であった。 夕食は前に行った事のあるトラッタリア に息子のシチリア郷土料理勉強の為に行く。夜7時半にオープンだが30分前なのに、気持良く、中に入れてもらう。アンティパスト3種類、パスタ2種類、ぺスカトーレリゾット、ドルチェ、ビァンコワイン1本。全部で一人1800円。7時40分になったら全ての席は満席。シラクーサッ子はこの安くて美味しいこのトラッタリアが贔屓なのだろう。日本では考えられないレストランであった。 今日の衣装は3人古布緋鯉幟ワンピース。視線が刺されるようでした。
昨年のイタリア原発建設国民投票で圧倒的な反対多数によって却下された。イタリアには原発は無い。レストラン、バールも夜11時を過ぎればクローズ。大型スーパーも夜8時半でシャッターを閉める。勿論コンビニもない。自販機も無いので街がきれい(日本にある自販機で原発一基に相当するとか。)イタリアの街は夜になると、ケバいネオンは無く、全体が乳白色で落ち着きを醸しだしている。ホテルやパレルモの友人マリアさん、フレンッエのニィルさんの部屋も必要以上に照明は明るくは無い。日本も再稼働反対も過半数を超える。今、真剣に原発の無い国イタリアから、日本は学ぶべきではないか。孫が出来て、この子供たちの未来の事を考えた時、今の大人、つまり企業、政府はもっと目先の利益を追うのでは無く、真剣に今、何をすべきかをかんがえなければならない。イタリアからいろいろな事が見えてくる。日本人が高度成長に浮かれた時代もあり、バブル崩壊後,それによって失なれたものが
多くある。今こそ何か本当に必要なものなのか、真剣に考えなければならない岐路に来ていると思う。
今日9月20日はあゆみさんの25才の誕生日。カタニャーの有名な海鮮レストランアンテイカマリナーでお祝いをしました。ヨーロッパ中からのお客さまで予約でいっぱい。7月から予約していました。人気のあるのは、それなりの理由。何しろ、新鮮な魚介類料理が安い!美味しい!ワインもボトルで1200円。良い誕生会でした。ほどよい飲んで3時半のバスでシラクーサへ向かいます。
今日のファッションはあゆみさんは大正ロマンの絽の着物。私は古布鯉のぼり。みちるは古布麻蚊がすり着物でした。気温24度。適温です。
米袋のリックは人気でしたよ。
文字のパンツはアリタリア航空の男性乗務員から声をかけられ、それは何処で売っているのかと。
みちるも長時間泣きもせず、笑顔を振りまいていましたよ。
いまから、国内線の飛行機に乗り換えて、シチリア島カタニャーに向かいます。到着は午後10時過ぎ。