ここに17冊の父の訟廷日誌がある。
昭和42年から昭和58年までの17冊。
脳出血で倒れるまで弁護士活動をしたのは
たった17年間しかない。
小さな文字で毎日の予定が蟻ん子のような小さな字で
書きこまれている。
一日の休みも無く、激務であったが、
正義派の弁護士であることに誇りを持ち、
弱者を救う事を天命とした父であった。
もし、今、生きていて、昨今の不祥事を起こす
金儲けのことしか考えない弁護士に対し
烈火のごとく怒るに違いない。
ユダヤ人を救った外交官杉原千畝やドイツの実業家
オスカーシンドラーのように
父は多くの弱者を救った。
新宿西口広場で脳出血で63歳で倒れた。
17年。あまりにも短い弁護士活動であった。
父がいつも口にしていた言葉。
「弱い者をいじめてはいけない。
正義は必ず勝つ。」
父はどんなに忙しくとも、家族への愛は忘れず、
かっこちゃんの誕生日とか、母幸子さんへの
感謝の気持がこの訟廷日誌から
窺い知る事が出来る。
私の宝。
2014年6月15日(日)