この鯉のぼりは手すきの和紙で出来ている。時代は明治。出所不祥。
丈夫にするために膠を塗ってある。
何とも、このとぼけた龍の顔が憎めない。
鯉のぼりの由来は中国の逸話より。
龍門のある鯉は滝を昇り、昇りきれば龍になるという登竜門の話からきている。
この登竜門は、男子の出世のシンボルとされた。
江戸時代はほとんどが紙製であって、真鯉一匹だけでした。
近代以降、木綿の沢山の鯉のぼりが発展しました。
この和紙鯉のぼりは、東京のオークションで、幟収集家の北村勝史さんと競り合いになり、サッと紳士であられる北村さんは降りて下さり、手に入れた物である。
北村さんは私の個展に見えられたときに、正面に飾られたこの鯉のぼりを見て、やはり素晴らしい。私のコレクションに加えたい一点でした。良いものですとおっしゃってくれました。
私の守り神のような龍である。
2012年8月31日(金)