この奉納旗も今回の九州の競りで落としました。
糸味からみると江戸期の奉納旗ですが、年号が書いてありません。
奉寄進と藍に白字で染め抜いてあります。
藍地に白抜きの奉納旗は
九州、四国(阿波)、近畿、千葉で
多く見られます。
麻ひもを通し幟竿と結ぶ、
旗の横に縫い付けられた木綿を
乳(ち)と呼びます。
乳は幟の脇役ですが、
奉納旗、
高価な絵幟等は出来上がった時に、
親戚の女性が集まり、
その男の子の将来の安泰、成長を祈りながら、縫い付けた厚い愛情が込められたものです。
この乳をはさみで取る時、緊張いたします。
ミシン縫いは、何とも思いませんが、
手で縫われた乳には祈願が込められた熱い愛情を
窺い知ることができます。
2014年3月8日(土)