先日、新聞に「最愛の大地」の紹介の記事が載っていた。女優アンジェリーナ・ジョリーの初監督作品である。
ゴールデン・グローブ賞にもノミネートされた、1992年のボスニア・ヘルッエゴビナのボスニア紛争を描いた長編
映画です。とにかく、このアンジェリーナ・ジョリーはすごい。ブラット・ピットのゴージャスコンビ。エチオペ
ア、ベトナム、カンボジアの子どもを3人養子にし、さらにブラピーとの間には3人の子がいて合計6人の母親
。国連難民高等弁務官の親善大使を務めてきたジョリィーがテーマに選んだのが第二次世界大戦
以来ヨーロッパで最も悲惨な戦いとなった、「ボスニア・ヘルッエゴビナ紛争」なのだから。
いろいろな民族、宗教が複雑に入り混じっているボスニア・ヘルッエゴビナ。1992年に紛争が勃発した。
セルビア系とムスリム系の同じボスニア人同志の大虐殺が始まる。女性に対するボスニア兵の暴力。”民族浄化”という名の虐殺のすざましさ。この映画が女性監督が描いたというのだから驚く。いや、長く人道支援活動をしてきた彼女だから、できたのかもしれない。初監督とは思えない迫真のこの映画に最後まで釘付けになった。
アンジェリーナ・ジョリーより
「私は、国際社会が迅速かつ効果的に戦争に介入することが出来なかったことに対する失望を、アーテイステ
イックに表現する映画を作りたかったのです。また、ボスニア・ヘルッエゴビナ紛争他にも戦争中の女性や性的
暴力」、戦争犯罪に対する説明責任、人道犯罪、和解への努力など、幅広い問題を深く追求し、理解したかっ
た。第二次世界大戦後のヨーロッパで最も悲惨な戦争だったのにも拘わらず、自分たちの時代、自分たちの
世代で起こったひどい暴力のことを、時に人々は忘れてしまうものなのです。」
これを念頭に「最愛の大地」の脚本を書き、自ら監督することになる。
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