ホテルと違い、自己責任において気を付けなければいけないことは沢山ありますが、まず第一には鍵です。不動産屋さんから鍵は絶対に無くさないようにと言われました。ヨーロッパは日本の鍵のようにスムーズには開けることができないのが多い。ここのアパートの部屋の鍵はドアノブがなく、しかもオートロックになっているので、部屋の中に鍵をわすれて閉めてしまったときは、もう開けることは出来ないのです。スペアキーもありません。常時管理人がいるわけではなく、不動産屋さんとの交渉も分かりません。土日営業はしていません。ホテルでしたらフロントに行けばよいのですが、アパートではそういう訳にはいきません。全員が外出するとき、最後に部屋を出る人は、鍵を持っているか、すごい神経を使います。その役目は金井美代子さんがいつもやっていてくれました。実はこのことは、大変なことなのです。パリの公園のトイレで、野田真理子さんが閉じ込められてしまいました。鍵が空回りして開けられないのです。その時も美代子さんが冷静になって開けることが出来ました。イタリアでもそのような経験を何度もしました。帰国何日か前にアパートのエレベーターに張り紙がしてあり(何て書いてあるか読めません。電話番号が書いてありますが、かけても何を云っているのか判らないだろうな)止まっていて、定期点検なのか、故障したのか分かりません。2日間4階まで階段を使いました。最後まで動きませんでした。帰国する日の朝、重たい20キロ以上もあるスーツケースを下までフーフー云って必死になって降ろしました。日本で当たり前のことが、当たり前ではないのです。