亡くなって100日目。百箇日。卒哭忌ともいわれる。
この日で、泣くのをやめましょうという日だそうです。
あの日は、40度近くの暑い夏の日だった。
夫の本棚を整理していたら、
大好きだった、谷川俊太郎の本が出て来た。
パラパラとめくると、
生きるという詩が。あった。
生きる
生きているということ
今生きているということ
それはのどがかわくこと
木漏れ日がまぶしいということ
ふっとあるメロディを思い出すということ
くしゃみをすること
あなたと手をつなぐこと
生きているということ
いま生きているということ
それはミニスカート
それはプラネタリウム
それは、ヨハンシュトラウス
それはピカソ
それはアルプス
すべての美しいものに出会うということ
そして、かくされた悪を注意ふかくこばむこと
生きているということ
いまいきているということ
泣けるということ笑えるということ
怒れるということ
自由ということ
生きているということ
いま生きているということ
今遠くで犬が吠えるということ
今地球が廻っているということ
今どこかで産声があがるということ
今兵士が傷つくということ
今ブランコが揺れているということ
いまいまがすぎゆくこと
生きているということ
いま生きていること
鳥ははばたくということ
うみはとどろくということ
かたつむりははうということ
人は愛するということ
あなたのてのぬくみ
いのちということ