夫が8月17日に突然逝ってしまった。
10日が経った。
少しだけ、ほんの少しだけ気持ちが落ち着いてきた。
来年金婚式。
半世紀も、共に暮らしてきた。
私の仕事に理解を示し、何時も応援してくれていた、
優しい夫であった。
私が、35年前に自宅ショップ「生活工房」を始めた時
生活工房らくがき帳に書いてくれた。
夫から見た生活工房 杉浦 宇
妻が生活工房を始めてから、5年になりました。
「やりたいなら、やってみたら」と自宅のリビングの続きに、プラス、アルファーの店
を作りました。
初めての仕事は知り合いの温室から、花の苗を仕入れ、これを、知り合いの友人に売る事から始め、
このわずかなお金を資金に、お客様から喜んでいただけるものを
少しづつ、無理をせず、増やしていきました。
今では、店からはみ出た民具や、骨董に囲まれた中での生活で、
現代の生活様式では味わえない、タイムトンネルで田舎の生活みたいですが
物がとっちらかっていて、時には夫婦喧嘩もしますが、
空間の持つ非日常性や意外性が定着すると、
僕の生活の中で、これが、日常の生活様式になっています。
僕は会社員ですので、直接生活工房にかかわる時間がないのですが
山にリースの素材を見つけに行ったり、
野の花を見たり地方の骨董市に友人を出かけたりして
日常の仕事とは異なる沢山のことを学ぶ時、l
これも生活工房の副産物であると思います。
そして、会社から自宅に戻り、酒を飲みながら、
妻と話す会話の中で、遠くから来てくれたお客さんの事とか、
野の花でいけた作品や、着物をアレンジして作った洋服の事とか、
妻が楽しそうに話すとき
何よりも生活工房を作って良かったなと、思います。
時間を見つけ、また好きな水彩画を描き、皆さんに見ていただきたいと
思っています。