知恵袋のおばあちゃん|杉浦和子の世界、衣・食・住・人の旅

古布の服や酒袋・襤褸、材料やパッチワークの販売

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プロフィール

私は、古布を全国から足で歩いて収集し、服をデザインし、作品を作っている杉浦和子と申します。北は北海道から南は沖縄まで作品展を開催しております。おかげで全国の美味しい食べもの、市場、人、自然の風景、地方の街など、多くの感動、感激そして人の出会いがあります。その情報を皆様にブログを通じてお知らせしたいと思っています。日本だけでなく世界の情報も。杉浦和子の日本、世界の衣、食、住、人の旅にご期待下さい。楽しい発見がきっと見つかりますよ。

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私の近所のおばあちゃんは、凄い知恵袋を持っていた。

いつも立ち話1時間。

和裁の達人。昔は芸者さんの着物を仕立ていたそうだ。

「その部分が、上手くいかないと、着るたびに何回でも着にくいのよ。

でも直しは1回。」

 

私が庭の花の手入れをしていると

「お花があるとお日様はひと休みするのよ」

 

「使った物は、元に直ぐに戻す」

 

「人を悪く言うとそれがそのまま返ってくる」

 

辛い話も聞いた。

長男を3歳で亡くした話。

戦時中、配給の缶詰めを食べて、疫痢になった。

復員したご主人から「お前が殺した。お前が殺した」と何度も言われた。

辛かったと。

 

ご主人が職を無くし、お金に困り、裕福な実家にお金を二人の娘を連れて借りに行った。

母親が「貸せない!」と言われ、帰り娘の手をぎゅーと握り泣きながらホームに立った。

「私には、子どもが、困っている時に、あんな事絶対に出来ない」

と声を震わせて言っていた。

 

 

そのおばあちゃんが、5日間くらい姿を見せなくなった。

娘さんが、「おばあちゃん、脳出血で亡くなった」

享年86歳。

もう10年にもなる。

 

何時も仕事をしていると、おばあちゃんの言葉を思い出す。

 

使った物は元に直ぐに戻す。

直しは1回。

 

2019年7月7日(日)
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