少女時代から、勉強も共に学び、遊び、笑い、泣き
いつもいつも一緒だった。
初恋の話、恋人の相談、結婚、子ども達の成長や悩み等、
何もかもが打ち明けられる姉妹以上の
50年来の心友だった。
がんを患って7年。
入退院を繰り返し
とうとう逝ってしまった。
喪失感と悲しみ。
悲しいけど、今日もいつものように朝の森散歩をした
爽やかな風が吹き抜けていく。
小鳥のさえずり。
少し濃くなった新緑の木洩れ陽
ふと谷川俊太郎さんの詩「生きる」を思い出した。
生きる 谷川俊太郎
生きているということ
いま生きているということ
それはのどがかわくということ
木洩れ陽が眩しいということ
ふっとあるメロディーを思い出すということ
くしゃみをすること
あなたと手をつなぐこと
生きているということ
いま生きているということ
それはミニスカート
それはプラネタリウム
それはヨハンシュトラウス
それはピカソ
それはアルプスすべての美しいものに出会うということ
そして
かくされた悪を注意深くこばむこと
生きているということ
いま生きているということ
泣けるということ
笑えるということ
怒れるということ
自由ということ
生きているということ
いま生きているということ
いま遠くで犬が吠えるということ
いま地球が廻っているといるということ
いまどこかで産声があがるということ
いまどこかで兵士が傷つくということ
いまぶらんこがゆれているということ
いまいまがすぎてゆくこと
生きているということ
いま生きているということ
鳥ははばたくということ
海はとどろくということ
かたつむりははうということ
人は愛するということ
あなたの手のぬくみ
いのちということ
心友の分まで力強く生きなければ。