2週間まえに、ひき逃げ事故で心友を亡くし、パリから3日間でトンボ帰りした、
傷心の次男に伊集院静さんの素晴らしい言葉をメールしました。
別離が教えてくれた事。
悲しみにあった人は慈しみという大事な力を得るのです。
辛い別れから、教えられる事がある。
「別離を経験した人にしか見えないものがあると説く」
17歳の弟を海の事故で亡くし、女優の夏目雅子さんを27歳の若さで病死した。
「苦しみ、哀しみを体験した人たちは身体のなかには、別離した人びとが何時も生きていて、
その人の生きる力になっています。
だからこそ、懸命に生きなければならないのです。
私は「さよならが与えてくれた力」を信じています。
「本当に、さよならの力なんてあるのか、私はこんなに悲しいのに。」そう思っている人にこそ、言いたい。
確かに悲しみからなかなか抜け出せない。
でもこんな私でも時間がたつにつれ、笑える日も来ました。
それだけは断言出来る。
「世の中には、人と死別し辛い思いをした人があふれている。
だけどそういう人たちが再びまえを向き歩き始めた時には、
そんな思いをしていない人とは違う、何かの力がついています。
少なくとも他人の不幸に手をさしのべる人になっている。
悲しみにあった人間は、人間への慈しみという大事な力を得るのです」