この1枚のセピア色の写真。母(23)に抱かれているのが4か月の私。
67年前の東京近郊相模原町。現在では人口70万の政令都市相模原市。
4月中頃というのに綿入れの着物を着ているのが祖父。
母の妹(20)、弟(18、)父(30)に抱かれているのが私の兄(1)。
母のボロボロの前掛け。乞食集団かと見まちがえるほどの戦後4年の日本。
8歳まで私はここで生まれ育ちました。
桑畑、茶畑に囲まれ、大きな欅の木々、茅葺屋根、黒ずんだ大黒柱、床。
土間の台所
五右衛門風呂。
豚小屋、にわとり小屋。
リヤカーに乗せられて田んぼのあぜ道で遊んだ日々。
私が時々夢を見るのはこの風景ばかりです。
ひょっとして、おそらく私が、日本の古い家具、農機具、古布にたまらない郷愁を覚えるのも
この幼い日の記憶にあるのかもしれません。
今、いくら気取ってみたって、日本の戦後はみんなこうだったのだからね。
日本の良き時代。
2016年7月22日(金)