図書館で後藤健二さんの本を借りに行ったら、30人待ち。
一応、リクエストはしておいたが、何時になるか分からない。
駅前の本屋で、1冊購入した。
後藤健二著
ジャーナリスト後藤健二のノンフィクション。
アフリカ シュラレオネ共和国。
世界で一番平均寿命が短い国とされている。
それは、政府軍と反政府軍の内戦である。良質なダイヤモンドが生産出来るが、
その利益は全て、戦争に使われていた。
この国の子どもたちは戦禍に巻き込まれ、子どもたちはゲームをするように、銃をも持ち、
人を殺していった。
何故、12歳くらいの子どもが、兵士になって戦わなければならなかったのか?
1990年後半、後藤健二さんは、この国に渡り、元少年兵を取材した。
そして、元少年兵ムリアと出会う。
ムリアは「やぶの殺し屋」と言われた少年。
ムリアは12歳の時、反政府に村を襲われ、目の前で両親を殺され、連れ去られる。
そして、殺し屋の訓練をされる。沢山数えきれないほどの人を殺した。
体に麻薬を埋め込まれる。すると何の感情も無く、人を殺したくなるのだそうだ。
ある日、ムリアは瞬間に脱走した。
そして、町の教会にかくまわれた。
学校にも行けるようになった。
ムリアは少しずつ、自分の夢を語れるようになった。
後藤さんがある日、ムリアに彼の将来の夢について尋ねた。
「ここを卒業したら、どんな仕事をしたいの?」
「この国の大統領になりたいんだ。」
後藤さんは「大統領になって何がしたいの?」
ムリアは「大統領になって、この国から戦争をなくして、平和にするんだよ」
私はちょっとふざけたように、ムリアの顔を覗き込みました。
「それじゃ今よりももっと勉強しなくてはいけないじゃないか。仕方ないなあ
、これがなくなると困るんだけれど、特別にあげるよ」
後藤さんは自分が持っていた、日本製のボールペンを勿体ぶってムリアに差し出しました。
白い歯を見せて、照れくさそうに小さく微笑んだムリアを見て、私は心の中で、新品の
勉強道具をもっとたくさんプレゼントできれば良かったのに、と思いました。
私は後藤さんの生き方に賛美しようとしているのではない。
だだ、後藤さんから学ぶ事が多い。
この本を読み、後藤さんを知れば知る程に、彼のやろうとしたことに「蛮勇」という
一言で傷つけてほしくはないと思いました。
図書館からリクエストの本がそのうち回ってくると思いますが、
また、ゆっくり読んでみます。