私は服を作るとき、自分に似合うかどうかだけで、デザインし製作している。
お客さまには申し訳ないのですが、自己中心なのです。
こういう人は果たしてプロと言えるのかどうか。
これを着て、どこに行こうか、どういう場所で映えるのか。
鏡の前で、布を当ててみるだけで想像力が湧く。
100年もの昔の布を、現代にどう甦らせるのか。
考えるだけでワクワクしてきます。
この、自己主張の強い歴史を生き抜いてきた古布は
静かに、そっと、「何になりたいの?」と声を聴いてあげるだけで、
上手くいくときが多いです。
その、季節に残ってしまった服はなんとなく、
よく見ると、ふてくされています。
布が怒っているような気がします。
そういう時はまたほどき、また相性の合う布を見つけ、
新たなデザインを考えてあげます。
私だって失敗はありますよ。
私に似合わない服だったのですから。
2014年7月21日(月)