ここのところ、外国からの、メールが届く。
ボストン、ニューヨークから。
辞書を引き引き、訳してみると
襤褸は 素晴らしい。
野良着も素晴らしい。
譲って貰えないか?
返事を待っています。
という内容。
「申し訳ありません。襤褸は私の、大切なコレクションなので、お譲りすることはできません」
と、回答している。
襤褸はニューヨークなどで、評価が高い。
これは、底辺の日本人の民衆の宝。
絶対、流出してはならないと思った。
私の夢。
次世代に啓蒙して行く為の、生き証人とも言える布なのだから。
手放してはならない。
今日は、朝から雪。
どこにも出られないので、「私の夢」を書いてみます。
私はこの仕事をして30年になります。
始めたころは絹の着物から、作っていました。大島紬、錦紗、留袖等々。
随分作りました。絹物の悩みは着ていると擦れて、薄くなり、破けたりして、クレームが
非常に多いことでした。そして、継ぎ当てて補修が出来ない。
絹物は寿命が80年と言われている。それは、絹はお蚕のたんぱく質からできている為である。
木綿、麻は300年の力(りき)があると言われている。
そのうちに力のある木綿の魅力にぐんぐん引き込まれていきました。
筒描きの布団、風呂敷、油単、暖簾。絣。刺し子の野良着。布団。襤褸の野良着
全国のセリ場に行っては、大きな声を張り上げて、木綿ばかり、セリ落とし、
「ぼろの女王」と異名を付けられていました。
家中が、全部、木綿の布で埋もれる状態。
11年前には、マリア書房から、自費ではなく「襤褸に生きる」を出版させてもらいました。
この本を出版したおかげで、埋もれ、光の当たらなかった、襤褸の価値が評価してもらえる
ようになりました。
今では、世界のブランドが、襤褸をコピーしプリントして、ブルゾン、ジャケット等のモードで
売りだしています。ブランド名だけで、凄いプライスが付けられています。
何と言っても、この仕事をして得られた大きな財産は、
日本中の古布好きのお客さまと出会えたことだと思います。
特に良質の人との出会い。
これは自分の人生をも変えます。
第一級のコレクター北村勝史氏との出会いは、
私の古布人生に大きな励みとなりました。
北村氏は76歳。3年前にオランダロッテルダムのワールド美術で6か月間の会期で
海外での「江戸の幟旗」の展示会を開催した。
氏の大きな夢であった。20年でライフワークとして海外美術館での計画は16年で、人生の目標が達成した。
では、私の夢は?
それは、海外で展示会を開催することではない。
夢は次世代に日本人が残した日本の宝を最先端のファッションとして
認めて、着てもらうことです。
正直言いまして、今までの古布を愛して着て下った方の高齢化は否めません。
先人たちの、偉業でもある、この古布を伝えていくためにも
次世代に着て貰い、古布を啓蒙していくことも大切だと思うようになりました。
そのためには、元気でいなければいけません。
次世代に伝える。
大きな目標、夢となりました。
今日は、Off の日。
個展が終わった後は、のんびりと一人で
南足柄の、露天温泉でリセットします。
行く途中の電車の中から、息子のブログを掲載いたします。
イタリアンレストランを経営している長男崇のBlogより
「崇高な目的」
仕事に行くのが、楽しい。
すること自体が楽しいのは幸せなことです。
今は、崇高な目的があります。
あたたかい居場所を作ること。
以前は料理やらコンセプトやらで難しく考えすぎていました。
来る人にあたたかい居場所を作ること。
スタッフにもお客さまにも。
優しさを。
シチリアは、以前にあったものが、大分なくなりました。
しかし、以前にはなかったものが今のシチリアにはあります。
感性が強い人は感じていると思います。
お客さまのニーズを超えて、人の役に立たなければいけないと衝動がある。
何故、自分が生まれたのか?
自分に何が出来るのか?
自分とは何者なのか?
と考えた人はいるだろうか?
僕はずーと考えていました。子供の頃からずっと。
ちなみに、僕の名前は「崇」なので、こんな事を良く考えていました。
「今度、熱く、お互いの目標、夢を語ろうね!母ちゃんより」とメールを入れておきました。
私にも、まだまだ、大きな夢があります。
それに向かって、息子に負けない位、頑張ろうと思っています。
今日は、その為のリセットタイムです。
電車の窓から見える景色も、足柄の山が近くなりました。
あっ!目の前に真っ白な富士山が見えてきました。
夕方、崇からメールがありました。
「母ちゃん、崇という名前をつけてくれて、本当にありがとう」
4日間でしたが、、賑やかな個展でした。
喫茶無伴奏さんの美味しいランチ、とっても好評!
動かなくって、作品と、お昼、お茶が出来る訳ですから。
1月で、冬の個展は、全て、終了いたしました。
2月は春物の作品に取り掛かります。
ご期待下さい。
今日は、昨晩の雨が上がり、温かな日でした。
沢山のお客さまで大賑わい。
ランチも品切れ状態。
明日は最終日。
5時までです。
長野小谷村の靴下100足も残りわずかとなりました。
今日は、国立個展2日目。
11時から次から次へとお客さんが見える。
みなさん、お友だちと、ここで待ち合わせをして
まるで同窓会のよう。
3年間国立で「アトリエ和」のお店をやっていたが、
やめて3年になる。毎日、自宅の中央林間から25キロ。車で運転して通うには
先々のことを考えると、自信が無くなった。
皆さんが「アトリエ和の空間は癒しだった。アプローチには、ゴーヤ、風船蔓、ハーブ
が沢山植えてあり、楽しかった」と懐かしがってくれる。
もっと頑張れば良かったかなとは思いますが、、、、やはり限界だったかな。
喫茶食堂無伴奏のオーナーの吉井さんの美味しいランチやお茶を飲みながら
年2回、こうして、皆様にお会いして、おしゃべりができることに幸せを感じます。
HPを見て、岩手から来てくださいました。
田吾作いないんですか?連れて来るのを忘れた!
後、2日あります。
是非、国立に遊びにいらして下さいね。
待っていまーす!